日経アソシエでもお勧め本に入れたが、安克昌さんという精神科医による阪神大震災の記録、『心の傷を癒すということ』という本がある。サントリー学芸賞を受賞し、その後文庫化もされたが、品切れになっていた。連休明けには、作品社から増補版が出る。朗報である。
安さんは貴重な友人であったが、残念ながら2000年12月に病気で亡くなられた。どれほどたくさんのことを、私は安さんや安さんつながりの友人たちから教わったことか。
もし生きていたら、今回の震災で、安さんはどんな言葉を発しただろうか。
私が今こうやって、文章を連ねているのも、安さんやこれまで出会ってきた様々な人から与えられたものを、誰かに手渡すためのような気がする。
増補版には私も寄稿しているので、出版されたら、ぜひ皆さん、お手にとってみてください。